基本方針

  1. 今日少子、少産時代における日本の現状及び将来を深く憂慮して活動を行っている。
  2. 無用な中絶をすることなく胎児の人権と生命を尊重したい。
  3. 養親によって暖かい家族・家庭の中で養育され、将来立派な社会人になることを心より念願する。
  4. 個人のプライバシーの厳守、奉仕の精神、売名的でないことがきわめて大切であることを自覚して、最善の善意と誠意を持って活動する。

 

第三者評価結果報告書

①民間あっせん機関名
一般社団法人 岡山県ベビー救済協会 
②第三者評価実施機関名 
一般社団法人ぱ・まる 
③第三者評価の受審状況 
評価実施期間 契約日(開始日)   令和3年4月1日
評価対象期間   令和5年4月1日~令和6年3月31日
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【評価基準の考え方と評価の方法】 全体の評価
目的 趣旨・解説 評価の方法 評価ランク 評価の根拠
No.1 本評価基準では、児童の権利擁護や家庭養育推進の視点を盛り込んだ基本方針が適切に明文化されており、職員、支援の対象となる児童、生みの親等への周知や理解を得るための努力が十分に図られていることを評価します。
・あっせんを必要とする養子縁組は、保護者のない児童又は何らかの事由により家庭での養育が受けられない児童に、家庭における養育を確保し、養育者との永続的な関係を形成する制度であり、児童の養子縁組は、専ら児童の福祉の観点に立って行う必要があります。
・そのため、養子縁組のあっせん機関は、児童の権利擁護や家庭養育推進の視点を盛り込んだ基本方針を明文化し、職員の行動規範とすることが重要です。
・基本方針は、職員に周知することはもとより、支援の対象となる児童、生みの親(出生時に婚姻関係のないパートナーを含む)、養親希望者及び業務上連携する関係者・機関に周知し、十分な理解を得るように努めることが必要です。
・ 基本方針が法の理念・趣旨を踏まえて具体的・適切に定められているかについて、業務方法書、事業計画等の基本方針を定めた文書によって確認します。
パンフレット、ホームページ等において、基本方針がどのように公表されているかを確認します。
・ 職員へどのように周知されているかについて、職員研修計画、会議録等によって確認します。
I-1-(1)-① 基本方針が明文化され、周知が図られている。 b
□基本方針が、文書や広報媒体(パンフレット、ホームページ等)に記載されている。
□基本方針は、職員の行動規範となるよう具体的な内容となっており、職員への周知が図られている。
□基本方針は、職員への周知はもとより、児童、生みの親、養親希望者及び業務上連携する関係者・機関に周知され、十分な理解を得るよう努めている。
No.2 本評価基準では、定期的な経営状況・環境に関する把握・分析等を踏まえ、計画的に事業計画が策定されていることを評価します。 ・ 事業運営に当たっては、事業の将来性や継続性を見通しながら、良質かつ安心・安全な養子縁組のあっせん及び相談支援の提供に努めることが求められます。
・ そのため、経営状況・環境について定期的に把握・分析等を行うとともに、それらを踏まえて、計画的な事業運営を行うことが必要です。
・ 事業計画においては、基本方針の実現に向けた目標を明確にすることが重要です。 明確にした目標に対しては、実施する支援等の内容、人材育成等の現状分析を行い、課題や問題点を明らかにする必要があります。明らかになった課題や問題点を具体的に解決するため、単年度の事業計画を策定するほか、必要に応じて中・長期的な事業計画を策定する必要があります。
・ 単年度の事業計画は、当該年度における具体的な事業、養子縁組のあっせん・相談支援等に関わる内容が具体化されていることが必要です。また、年度の終了時に実施状況についての評価を行うため、内容については、実施状況の評価が可能であることが必要です。数値化等できる限り定量的な分析が可能であることが求められます。
・ 中長期計画とは、基本方針の実現に向けた具体的な取組を示すものです。養子縁組のあっせん・相談支援の更なる充実、課題の解決等も含めた目標を明確にし、その目標を実現するために、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成等に関する具体的な計画となっている必要があります。
基本方針に沿い、安定性や継続性を備えた計画が策定されているかを、事業計画、職員研修計画等の実績がわかる文書によって確認します。
・ また、予算の裏付けがあるかを確認します
I-2-(1)-① 事業の安定性や継続性を担保する事業計画が適切に策定されている。  b
□基本方針の実現に向けた目標が明確にされている。
□経営状況や支援内容、人材育成等の現状分析を行い、課題や問題点が明らかにされている。
□単年度の事業計画が策定されている。また、必要に応じて中長期計画が策定されている。
□事業計画には、収支計画に関する事項が含まれている。
No.3 本評価基準では、事業計画の策定にあたり、職員等の参画や意見の集約・反映の仕組みが定められており、事業計画の評価と実施状況の把握や見直しが組織的に行われているかを評価します。 ・ 事業計画は、その策定や評価について体制を定め、職員の参画・理解のもとに組織的な取組を進めることが重要です。
・ 事業計画の策定については、関係職員の参画や意見の集約・反映の仕組みが定められており、機能している必要があります。
・ あわせて、計画の実施状況を把握、評価し、結果に基づき事業計画に反映、見直し等を行う仕組みとして、評価・見直しの時期、手順が定められ、実施されているかという点も重要です。No.3
・ 事業計画の策定や見直しにあたっては、前年度までの総括がなされているかなど検討経過がわかる会議録その他の文書により確認します。
・ 事業計画は、民間あっせん機関が当該年度に実施する基本的な事項を具体化したものであるかを確認します。
業務方法書や予算との関連付けが十分か確認します。
I-2-(1)-② 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われている。 b
□事業計画が、職員等の参画や意見の集約・反映のもとで策定されている。
□計画期間中において、事業計画の実施状況が、あらかじめ定められた時期、手順にもとづいて把握されている。
□実施状況の把握や評価結果にもとづいて事業計画の見直しを行っている。
No.4 本評価基準では、事業計画のうち、養子縁組のあっせんに係る事項については、職員、生みの親及び養親希望者等に周知し、理解を促すための取組が行われているかを評価します。 ・事業計画の実行にあたっては、職員が養子縁組のあっせんに関する項目について十分理解することが重要です。
・ 事業計画は、生みの親及び養親希望者等への支援に関わる事項も含まれており、養子縁組のあっせんに関わる内容については、生みの親及び養親希望者等に周知することが必要です。
・ 生みの親及び養親希望者等への説明にあたっては、理解しやすい工夫を行うなど、理解を促すための配慮が必要です。
職員に対し、周知を図り、理解を促す取組が行われているかを、会議録や内部研修の記録等によって確認します。
・ 生みの親や養親希望者への説明において用いるパンフレット等において、必要な事柄が十分記載されているかを確認します。
生みの親や養親希望者への説明の仕方を確認します。
I-2-(1)-③ 事業計画は、職員や生みの親及び養親希望者等に周知され、理解を促している。 b
□養子縁組のあっせんに係る事項について、職員に対し、周知を図り、理解を促す取組が行われている。
□事業計画の養子縁組のあっせんに係る内容は、生みの親及び養親希望者等に周知(配布、説明等)されている。
□事業計画の養子縁組のあっせんに係る内容を、分かりやすく説明した資料を作成するなどの方法によって、生みの親及び養親希望者等がより理解しやすいような工夫を行っている。
No.5 本評価基準では、養子縁組のあっせん・相談支援の質の向上に向けた体制整備があるかを評価します。 ・養子縁組のあっせん・相談支援の質の向上は、日々の取組とともに、自己評価の実施や第三者評価の受審、苦情相談内容にもとづく改善活動等が総合的、継続的に実施される必要があります。そのため、事業所が自ら質の向上に努める組織づくりをすすめていることが重要です。
・ 養子縁組のあっせん ・相談支援の質の向上は、P(Plan・計画策定)→D(Do・実行)→C(Check・評価)→A(Act・見直し)のサイクルを継続して実施することによって、恒常的な取組として機能していきます。これを具体的に示すと、養子縁組のあっせん・相談支援の質の向上に関する計画策定→計画実施→実施状況の評価→計画の見直し・改善、となります。
・ 自己評価、第三者評価などの計画的な実施、評価を行った後の結果分析、分析内容についての検討までの仕組みが定められ、組織的にPDCAサイクルにもとづく養子縁組のあっせん・相談支援の質の向上に関する取組が実施される体制を整備することが求められます。
・ 養子縁組のあっせん・相談支援の質の向上において、自己評価と第三者評価は一つの方法であり、評価実施後の各評価基準で示された改善課題が総合的、継続的に取組まれることを通じて実現されるものです。
・ 本評価基準は、自己評価や第三者評価の受審やそのプロセス、また、結果をもとにして組織的・継続的に養育・支援の質の向上に取り組むことの基礎となる体制を評価します。自己評価等を通じた日常的な質の向上のための取組や、各評価基準において必要とされる取組等を具体的に進める前提となるものです。
・ なお、自己評価は第三者評価の項目に基づき行う他、生みの親や養親へのアンケート等によって感想や意見を確認する方法なども想定されます。
質の向上を図る取組の内容が適切な検討を経て、具体的に決められているかを、業務方法書、会議録等において確認します。
自己評価の結果、第三者評価の結果、苦情解決の記録等が適切に保管されているかを確認します。
I-3-(1)-① 養子縁組あっせん・相談支援の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 b
□質の向上に向け、PDCAサイクルを意識し、組織として実施している。
□自己評価や生みの親や養親へのアンケートの実施、第三者評価の受審等を行っている。
□評価結果や苦情相談の受付・対応状況等について、分析・検討し、質の向上につなげるための仕組みがある。
No.6 本評価基準では、実施した自己評価、第三者評価等の評価結果等から明確になった課題に対して、改善策を策定して実行するプロセスを繰り返し、課題の解決・改善に計画的・継続的に取り組んでいるかを評価します。 ・自己評価、第三者評価等の結果については、改善の課題を明確にし、この解決・改善に計画的に取り組むことが必要です。そのため、評価結果を分析した結果やそれにもとづく課題は、職員間で共有することが重要です。
・ 改善課題については、職員の参画のもとで改善策や改善計画を策定し、改善のための取組を計画的に行うことが必要です。
課題やその解決策が職員間で共有・検討なされているかを、会議録等によって確認します。
・ 改善策が、業務方法書や事業計画等に反映されているかを確認します。
I-3-(1)-② 自己評価等の評価結果に基づき、取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 b
□自己評価、第三者評価等の結果を踏まえ、改善の課題を明確にしている。
□ 職員間で課題の共有化が図られている。
□評価結果から明確になった課題について、職員の参画のもとで改善策や改善計画を策定する仕組みがある。
□評価結果にもとづく改善の取組を計画的に行っている。
No.7 本評価基準では、養子縁組あっせん責任者がリーダーシップを発揮する立場として、職員に対して自らの役割と責任を明らかにしているかを評価します。 ・民間あっせん機関は、養親希望者へ児童をあっせんすることにとどまらず、生みの親に対する相談支援、養親希望者への研修、児童や養親希望者に対する家庭調査、養子縁組成立後の養親及び養子となった児童に対する継続的な支援といった幅広い業務を適正に実施することが必要です。
・ 民間あっせん機関がこうした幅広い業務を適正に実施するために、養子縁組あっせん責任者は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、組織においてリーダーシップを発揮することが求められます。また、基本方針等を踏まえた取組を具体化し、質の高い養子縁組のあっせん・相談支援の実現に役割と責任を果たすことが求められます。
・ 養子縁組あっせん責任者が、事業所における業務の適正な実施をリードする立場として、職員に対して自らの役割と責任を明らかにすることは、職員との信頼関係を築くために欠かせません。質の高い養子縁組のあっせん・相談支援の実施や、効果的な経営管理は、養子縁組あっせん責任者だけの力で実現できるものではなく、事業所内での信頼関係のもとにリーダーシップを発揮することが必要です。責任者として、自らの役割と責任について、職員に周知が図られていることが必要です。
・養子縁組あっせん責任者の職務内容が明記されているかを、業務方法書や職務分担表その他の文書によって確認します。
・ 養子縁組あっせん責任者が、あっせん業務における相談支援、事業計画の策定、職員への研修等に主体的に関与しているかを面接の記録や会議録等によって確認します。
II-1-(1)-① 養子縁組あっせん責任者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 b
□養子縁組あっせん責任者は、基本方針等を踏まえた取組を具体化し、明確にしている。
□養子縁組あっせん責任者が、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、職員に周知が図られている。
No.8 本評価基準では、養子縁組あっせん責任者が、自ら養子縁組あっせん責任者に係る研修に参加すること、職員の法令遵守のための具体的な取組を行っていることを総合的に評価します。 ・養子縁組をあっせんする組織として、法令等を遵守した運営=コンプライアンス(法令遵守)の徹底が求められます。ここでの法令等とは、養子縁組関係法令はもとより、事業所の基本方針や諸規程、さらには、社会的ルールや倫理を含むものです。
・ 養子縁組あっせん責任者は、自らが法令や倫理を正しく理解し、事業所全体をリードしていく責務を負っています。そのため、自ら、養子縁組あっせん責任者に係る研修に参加する必要があります。
・ 職員に対して、研修に参加させる、遵守すべき法令等を周知するなど、法令遵守のための具体的な取組を行うことが求められます。
・養子縁組あっせん責任者自身が理解していることはもとより、組織全体としての理解も必要となることから、実務者に理解を促すための取組が行われているかを、会議録や職員が参加した研修の記録等によって確認します。
・ 養子縁組あっせん責任者研修を修了したことがわかる文書を確認します。
II-1-(1)-② 養子縁組あっせん責任者は、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 b
□ 養子縁組あっせん責任者が、遵守すべき法令等を正しく理解している。
□養子縁組あっせん責任者が、養子縁組あっせん責任者に係る研修に参加している。※法定事項
□ 養子縁組あっせん機関職員に係る研修に、職員を参加させるなど、組織全体で法令遵守するための具体的な取組を養子縁組あっせん責任者が行っている。
No.9 本評価基準では、養子縁組あっせん責任者が養子縁組のあっせんと相談支援の質の向上に関する課題を正しく理解したうえで、どのように指導力を発揮しているかを具体的な取組によって評価します。 ・事業所における養子縁組のあっせん・相談支援の質の向上において、養子縁組あっせん責任者の責任と役割が重要です。個々の職員の継続的な努力により取り組まれる実践を、組織的な取組とすることや体制づくりにつなげるなど、指導力の発揮が求められます。
・ 養子縁組あっせん責任者は、養子縁組のあっせん・相談支援の質の現状について定期的、継続的に評価・分析を行い、職員の意見を取り入れて質の向上に向けた具体的な体制を構築する必要があります。
・養子縁組あっせん責任者が、養子縁組のあっせんに関し、個々の相談支援の状況を確認するなど主体的に関与しているか相談支援の記録等によって確認します。
・ 養子縁組あっせん責任者が、あっせん事例を振り返り検討する機会を設けることや、あっせん事例の進捗管理を行うことなどにより、相談支援の質を向上させるための取組を適切に行っているかを、事例検討の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
II-1-(2)-① 養子縁組あっせん責任者は、養子縁組あっせん・相談支援の質の向上に意欲を持ち、その取組に指導力を発揮している。  b
□ 養子縁組あっせん責任者が、養子縁組のあっせん・相談支援の質の向上に意欲を持っている。
□養子縁組あっせん責任者が、養子縁組のあっせん・相談支援の質の現状について、定期的・継続的に評価分析を行っている。
□養子縁組あっせん責任者は、職員の意見を取り入れて質の向上に関する具体的な体制を構築し、組織としての取組に十分な指導力を発揮している。
□養子縁組あっせん責任者が中心となって、関係機関との連携や調整を行っている。
No.10 本評価基準では、必要な人材の確保、組織体制の充実及び強化に努め、適切な養子縁組のあっせん・相談支援が提供できる体制を構築しているか、職員一人ひとりの育成に向け、事業所の目標や方針を徹底
し、職員個別の育成計画が適切に作成・実施されているかを評価します。
・基本方針や事業計画を実現し、質の高い養子縁組のあっせん・相談支援を実現するためには、必要な人材の確保が求められます。また、管理職が適正に配置される組織体制によって、職員の育成が可能な環境を整備することが必要です。
・ 児童の最善の利益の尊重や養子縁組の理念について、職員一人ひとりが理解し、その実現に向けて適切な取組を行うことが求められます。そのため、民間あっせん機関は、基本方針や事業計画の中に、職員に求める基本姿勢や養子縁組支援の考え方を明示する必要があります。
・ 民間あっせん機関は、基本方針や事業計画に基づき職員育成計画を策定し、計画に基づいた取組を行います。
・ 具体的には、養子縁組あっせん責任者等が、職員の援助技術の水準、知識の量と質、養子縁組のあっせん及び相談支援に関係する実務経験、専門資格を取得する必要性の有無などを把握し、研修を計画的に受講させるなど、職員の資質向上に努めることが必要です。
法の理念・趣旨を踏まえて、養子縁組あっせん業務を行うための人材の確保・育成・定着等を図る取組が行われているかを、業務方法書や事業計画、職員研修計画、並びに、それら取組の実施状況がわかる文書等によって確認します。
・ 研修に参加するための費用を見込むなど予算との関連づけが十分か、また、決算額との乖離がないかを確認します。
II-2-(1)-① 必要な人材の確保・育成・定着等に関して、具体的な取組が実施されている。  b
× □適切な養子縁組のあっせん・相談支援が提供できる体制を構築するため、必要な人材を確保し、十分に育成ができるよう、マネジメント体制を構築している。
× □職員一人ひとりの育成に向けたスーパーバイズが行えている。
□職員一人ひとりの状況に応じ、資格取得や研修等への参加機会の提供などの取組を行っている。
□基本方針や事業計画の中に、職員に求める基本姿勢や意識を明示している。
× □基本方針や事業計画に基づき職員育成計画を策定し、計画に基づいた取組を行っている。(職員の援助技術の水準、知識の量と質、実務経験、専門資格を取得する必要性の有無、研修の計画的な受講等)
No.11 本評価基準では、職員が自由に意見を表明して、ひとりで問題を抱え込むことなく、養子縁組あっせん責任者や他の職員にいつでも相談できる環境を整えているかを評価します。 ・養子縁組のあっせん・相談支援の内容を充実させるためには、事業所として、職員が常に仕事に対して意欲的にのぞめるような環境を整えること=働きやすい職場づくりに取り組むことが求められます。
・ 職員が自由に意見を表明して組織の運営及び決定に関与でき、かつ、職員がひとりで問題を抱え込むことなく、養子縁組あっせん責任者や他の職員にいつでも相談できる環境を整えることが必要です。定期的な会議の開催等により職員が意見表明や相談をしたり、組織の運営方針等に関する決定に関与する機会を設けることなどもその方法の1つとして考えらます。
・ また、職員からの相談等があった場合に、助言をしたり、必要な改善等を行ったりするなど、相談等を踏まえた
対応が行えているかが重要です。
・ 養子縁組あっせん責任者については、職員からの相談に応じるほか、困難な事例や複数の事例を抱える職員等に対して、事例の進捗状況や問題が生じていないか逐次確認するとともに、必要に応じて積極的に助言を行うことが求められます。
担当者間で相談支援件数を平準化することや、困難事例に複数で対応すること、相談支援へのスーパーバイズを適宜実施することなどにより、職員間で積極的な情報共有、意思疎通が図られているかを、相談支援の記録、会議・ミーティングの記録、事例検討の記録等によって確認します。
職員からの意見を組織の運営に反映していることがわかる資料に基づき、聴き取りによって確認します。
II-2-(2)-① 職員が意見を表明しやすく、相談しやすい職場づくりに取り組んでいる。 b
□職員が自由に意見を表明して組織の運営及び決定に関与できる環境が整っている。
□職員がひとりで問題を抱え込むことなく、養子縁組あっせん責任者や他の職員にいつでも相談できる環境が整っている。
□職員からの相談、意見や悩み等を踏まえ、必要な助言・改善等に取り組んでいる。
□ 養子縁組あっせん責任者が、困難な事案や複数の事案を抱える職員等に対して、事案の進捗状況や、悩み事や問題が生じていないか逐次確認するとともに、必要に応じて積極的に助言を行っている。
No.12 本評価基準では、手数料や寄付金等の取扱いをはじめ、公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われているか、非営利性が確保されているかを評価します。 ・法第7条第1項第5号において、「営利を目的として事業を行おうとするものでないこと」が養子縁組あっせん事業の許可基準とされており、営利を目的とした事業ではないことが明らかでなければ、事業を営むことは認められません。
・ 民間あっせん機関は、法第9条及び規則第3条の規定により、手数料を徴収するに当たっては、事前に金額の根拠や使途を明らかにする必要があります。また、根拠や使途が明らかでない費用を実費と称して徴収することが禁止されています。
・ 民間あっせん機関は、公的支援の活用や効率的な事業運営により、養親希望者や生みの親が負担する手数料に関わる事業運営に要する費用の抑制に努めるとともに、人件費や事務費等については、真に必要なものに限定することが必要です。
・ 寄付金、会費の取扱いについては、指針を遵守する必要があります。
・ 民間あっせん機関は、人身売買又は営利を目的とした養子縁組のあっせんはもとより、それらを示唆する宣伝広告や事業についての説明など、自らが行う事業の非営利性が疑われる運営を行ってはいけません。
・ 民間あっせん機関は、生みの親からの相談に応じ、養親候補者を選定する立場であることから、広報媒体への出演を含める広報活動への参加や、養育施設での労務の提供を求めるなど、養子縁組のあっせんに不当な条件を課してはいけません。
使途が不明な費用や根拠が明確でない費用を手数料に算入していないか、算出根拠を示した資料を確認します。
・ 役員報酬や顧問料、過大な人件費が手数料に算入されていないか、算出根拠を示した資料を確認します。
・ 養親希望者及び児童の父母、養子縁組の成立後 6 ヶ月を経過していない養親並びに養子縁組が成立しなかった養親希望者から、寄付金または会費を受け取っていないか確認します。
・ 養子縁組のあっせんに不当な条件を課していないか、養親希望者への説明時に用いる資料等によって確認します。
II-3-(1)-① 経営・運営の非営利性が確保されている。 b
□ 金額の根拠や使途が不明な費用を実費として徴収していない。※法定事項
□ 事業運営に要する費用の抑制に努め、人件費や事務費等は、真に必要なものに限定されている。
□寄付金、会費の取扱いについて、指針が遵守されている。
□自らが行う事業の非営利性が疑われるような運営を行っていない。(人身売買または営利を目的とした養子縁組のあっせん、それらを示唆するような宣伝広告や事業説明等)
□養子縁組のあっせんのために、養親希望者に対して不当な条件を課していない。(広報活動への参加、養育施設での労務提供等)
□ 事業所毎の事業報告書を、毎事業年度終了後2か月以内に都道府県知事等に提出している。※法定事項
No.13 本評価基準では、養親希望者や生みの親に対して、非営利性に関する説明責任が果たされているかを評価します。 ・民間あっせん機関は、自らの事業の非営利性について説明責任を十分に果たすことが必要です。
・ 手数料の金額の根拠や使途を示すに当たっては、養親希望者や生みの親が手数料の内訳を容易に理解できるよう、当該内訳について一覧可能な書類を提示するとともに、可能な限りこれを裏付ける領収書等を併せて示すことが必要です。
・ 手数料を受領した場合は、領収書を発行する必要があります。
・ 民間あっせん機関は、養子縁組のあっせんに係る契約書、手数料の請求書や明細書、手数料の積算根拠となる領収書等を、個別の事例毎に、当該養子縁組のあっせん終了後、少なくとも5年間は保管する必要があります。
・ 民間あっせん機関は、法第 32 条及び規則第 16 条の規定により、都道府県等に対して行う、養子縁組のあっせんに係る報告とは別に、法第 20 条及び規則第9条の規定により、事業所毎の事業報告書を、毎事業年度終了後2月以内に都道府県等に提出しなければなりません。
手数料の額及びその算出根拠が、明確かつわかりやすい資料によって説明されているかを確認します。
契約書や手数料の算出根拠となる資料等が、適切に保管されているかを確認します。
手数料や会費、寄付金を受け取った場合は、領収証を発行し、控えを適切に保管しているかを確認します。
II-3-(1)-② 経営・運営の非営利性について説明責任を果たしている。  b
□手数料を徴収するにあたっては、事前に金額の根拠や使途を明らかにしている。※法定事項
□手数料の金額の根拠や使途は、養親希望者や生みの親が容易に理解できるように、その内訳について一覧可能な書類の提示や、必要に応じて領収証等の根拠資料を併せて示している。
□手数料を受領した場合は、領収証を発行している。
□養子縁組のあっせんに係る書類等を、個別の事例ごとに、養子縁組のあっせん後、5年以上保管している。(契約書、手数料の請求書や明細書、手数料の算定根拠となる領収証等)
No.14 本評価基準では、経営や運営等に関する情報を適切に公開し、透明性を確保するための取組を行っていることを評価します。 ・民間あっせん機関は、運営の透明化についての不断の努力が求められることから、定款や手数料の算定の基準その他の養子縁組のあっせんに係る業務に関する事項を、ホームページへの掲載等の適切な方法により、あらかじめ公表する必要があります。
・ 養子縁組のあっせんを申し込もうとする養親希望者及び生みの親に対しては、電子メールの送信や書面の交付等により、あらかじめ、養子縁組のあっせんに関する手数料の額、養子縁組のあっせん業務の実施方法について情報提供を行うことが必要です。
・ 特に、手数料の額は前年度実績等に基づき標準的な徴収見込み額やその内訳を示すとともに、養子縁組のあっせんを中止した場合の費用負担の取扱いについても、事前に丁寧に説明することが重要です。
・ 民間あっせん機関は、業務の質について自ら評価を行うとともに、第三者評価を受け、事業の透明性を確保する観点からそれらの結果について公表しなければなりません。
養子縁組のあっせんに係る業務に関する事項が具体的かつ適切に公表されているかを、パンフレット、ホームページ、業務方法書等によって確認します。
自己評価及び第三者評価の結果を適切に公表しているかを、パンフレット、ホームページ等によって確認します。
II-4-(1)-① 経営・運営の透明性を確保するための情報公開等が行われている。  b
□ 養子縁組のあっせんに係る業務に関する事項(定款、手数料の算定基準等)を、ホームページへの掲載等の適切な方法により公表している。※法定事項
□ あっせんを希望する養親希望者および生みの親に対して、養子縁組のあっせんに関する手数料の額、実施方法、あっせんを中止した場合の費用負担の取扱い等を、電子メールの送信や書面の交付等により事前に情報提供している。※法定事項
□ 業務の質について自ら評価を行うとともに、第三者評価を受け、それらの結果について公表している。※法定事項
No.15 本評価基準では、養子縁組に関わる相談支援において、必要な関係機関・団体の機能や連絡方法等を把握しているかを評価します。 ・民間あっせん機関は、生みの親の妊娠相談から、養子縁組成立後の養子となった児童が出自を知るための支援まで、養子縁組に関わる相談支援の全てを単独で実施することは困難です。中立的な立場からの支援を行うためには、児童の最善の利益を図る観点から、関係機関と連携・協働することを前提として事業を行うことが必要です。
・ 民間あっせん機関は、自らの役割や、機能を達成するために必要となる関係機関を含む社会資源を認識するとともに、業務に携わる職員がこれを常に活用できるよう、関係する情報を収集し、業務方法書等により共有することが必要です。
・ ここで言う「必要な社会資源」とは、あっせんや子どもの養育・相談支援の質の向上を確保するために連携が必要な機関や団体を指し、具体的には、児童福祉、母子保健、精神保健福祉等の関係機関が該当します。
・ 個々の事例において、児童、生みの親、養親希望者並びに養子縁組成立後の養親及び養子となった児童に対して、関係機関による支援が利用可能であることについて適切に情報提供するとともに、関係機関と連携・協働して支援できる体制を構築するよう努めることが重要です。
・連携が見込まれる関係機関やその担当者について一覧表が作成されるなど、適時適切に連携する準備がなされているかを確認します。
関係機関との連携や関係機関の情報を伝えることが必要な場合に、適切に生みの親または養親希望者へ伝えているかを、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
II-5-(1)-① 民間あっせん機関が業務を行ううえで必要となる社会資源が明確になっており、活用する仕組みがある。 b
□自らの役割及び自らの機能を達成するために必要となる関係機関を含む社会資源を認識し、関係する情報を収集している。
□収集した情報について、業務に携わる職員が常に活用できるよう、業務方法書等により共有している。
□児童、生みの親、養親希望者ならびに養子縁組成立後の養親及び養子となった児童に対して、関係機関による支援が利用可能であることを適切に情報提供している。※法定事項
No.16 本評価基準では、養子縁組に関わる相談支援において、必要な関係機関・団体との連携・協働が適切に行われているかを評価します。 ・養子縁組あっせん機関は、関係機関の専門性や役割を理解し連携することで、養子縁組のあっせん・相談支援に取り組むことが期待されています。養子縁組の対象となる児童は、特定妊婦をはじめとした要保護の対象である可能性が高いことから、基本的に児童相談所や市町村による関与を検討する必要があることを、養子縁組あっせん機関でも理解しておくことが求められます。
・ 関係機関との連携に際しては、必要に応じて公的機関や他の民間あっせん機関に児童、生みの親、養親希望者並びに養子縁組成立後の養親及び養子となった児童に関する情報を提供するほか、情報提供を受けることがある旨を説明し、事前に同意を得るように努める必要があります。
・ 民間あっせん機関は、養子縁組あっせん事業の業務の一部を他の民間機関等に委託する場合には、当該民間機関等が法第6条第1項の許可を得ていることなどの確認はもとより、養子縁組あっせんに係る法令及びその他の関係法令を遵守していることの確認を行う必要があります。
関係機関と適切に連携・協働しているかを、相談支援の記録等によって確認します。
・ 関係機関との連携・協働に際して、児童、生みの親、養親希望者、養子縁組成立後の養親から予め同意を得るよう努めているか、相談支援の記録等によって確認します。
・ 養子縁組あっせんに係る業務の一部を委託している場合には、当該機関が許可を得ているかどうかについて、許可証の写し等によって確認します。
取組の具体例について、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
II-5-(1)-② 関係機関との連携・協働による支援が適切に行われている。 b
□ 関係機関と連携・協働して支援できる体制を構築するよう努めている。
□ 関係機関との連携に際し、必要に応じて児童、生みの親、養親希望者ならびに養子縁組成立後の養親及び養子となった児童に関する情報提供、情報授受がある旨を説明し、同意を得るよう努めている。
× □ 養子縁組あっせん事業の業務の一部を委託する場合には、当該機関が法第6条第1項の許可を得ていること、関連法令等を遵守していることを確認している。
No.17 本評価基準では、養子縁組の検討を行うにあたり、生みの親の置かれた状況等を把握したうえで、十分な理解が得られるよう必要な説明を丁寧に行っているかを評価します。 ・民間あっせん機関は、生みの親から養子縁組のあっせんに関する相談を受け、具体的に養子縁組の検討を進める段階においては、生みの親と必ず面接をして事情を聴取しなくてはなりません。
・ また、必要に応じて、生みの親の家族や親族との面接を行ったうえで、生みの親の養育力やその環境等についてアセスメントを行うことが求められます。そのため、生みの親の家族や親族との面接の必要性を適切に判断することが重要です。
・ 生みの親の置かれた状況を把握した上で、その経済的な問題や子育ての問題を解決するため、公的な支援を受けながら自ら養育することや、児童の里親委託等の選択肢をとることも検討すべきことについて十分な理解が得られるよう、丁寧に説明を行う必要があります。
生みの親の養育可能性を十分に検討したかを、相談支援の記録、事例検討の記録等によって確認します。
・ 生みの親に対する支援が、アセスメント及び養育可能性の検討結果に沿って適切になされているかを、相談支援の記録等によって確認します。
・ 生みの親に対して、養育の可能性についての選択肢を十分かつ適切に説明しているかを、相談支援の記録等によって確認します。
・ 取組の具体例について、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
III-1-(1)-① 生みの親による養育可能性の模索が適切に行われている。 b
□具体的に養子縁組の検討を進める段階において、生みの親との面接をして事情を聴取している。※法定事項
□生みの親の家族や親族との面接の必要性を適切に判断し、必要な場合には面接を行っている。
□生みの親や家族、親族との面接を通じて、生みの親の養育力やその環境等についてアセスメントを行っている。
□生みの親の置かれた状況を把握したうえで、その経済的な問題や子育ての問題を解決するための選択肢を検討することについて、十分な理解を得られるよう、丁寧に説明している。
No.18 本評価基準では、生みの親が自ら児童を養育するか否かを問わず、養子縁組のあっせんに関する相談を受けた場合に、児童や生みの親、養育希望者に対して必要な情報を提供しているかを評価します。 ・生みの親の状況に応じて、必要な情報提供を行わなくてなりません。具体的には、妊婦健診への助成や入院助産に関する情報、妊娠中の生活場所の確保に関する情報、出産に関する費用の補助、生活費等経済的な支援に関する情報、児童扶養手当等のひとり親家庭への支援に関する情報、就労支援、市町村の法律相談や法テラス等の法律相談窓口に関する情報といった、幅広く多様な社会資源に関する情報提供を行うことが考えられます。
・ あわせて、生みの親への説明や情報提供と並行し、必要に応じて、出生前も含め、関係機関に連絡をとるとともに、生みの親の状況や本人の意向を踏まえ、当該関係機関への相談に同行するなどの必要な支援を行う必要があります。
・ 相談支援の結果、生みの親が自ら児童を養育する意思を固めた場合であって、生みの親や親族の生活状況、収入等の養育環境を確認し、児童の安全や健全な育成を確保する観点から支援が必要と認められる場合には、生みの親に対し、関係機関の相談窓口等について情報提供を行うとともに、これらの者を関係機
関につなげるように努めなければなりません。要保護児童対策地域協議会を活用し、これらの機関と民間あっせん機関との間で、当該児童及び生みの親の個人情報を共有することも考えられます。
・ 生みの親が養子縁組のあっせんを希望する場合についても、生みの親の状況に応じて、相談窓口等の情報提供や関係機関への連絡等を行うことが必要です。
・ 生みの親に対して、住居の確保や金品の提供・貸付け等の生活支援を行うことは、生みの親の意思決定に影響を及ぼすおそれがあります。そのため、生みの親が生活支援を必要とする場合には、できる限り適切な公的支援につなぐなど、関係機関と連携し、当該支援の提供が養子縁組の意思決定に不当に影響しないよう配慮する必要があります。また、民間あっせん機関が、養子縁組のあっせんとは切り離しつつ、直接生活支援を行う場合であっても、そうした支援を受けることが、生みの親の意思決定に影響する可能性があるため、関係機関による公的支援を利用することで提供可能な支援については、その趣旨を丁寧に説明の上、公的支援の利用を優先します。なお、その際、生活支援に要した費用を手数料として養親候補者等から徴収することはできないことに留意する必要があります。
・ 出産前に胎児のエコー写真を養親候補者に渡すことや、養親候補者による命名を優先させるといった約束等は、生みの親の意思決定に影響を与え、児童の最善の利益の観点から問題を生じ得る行為です。また、養子縁組のあっせんの中断は、児童や養親候補者に喪失感を与えるおそれがあることから、生みの親の意思を丁寧に確認しながら、養親候補者に対して必要以上に期待を抱かせることのないよう配慮しなくてはなりません。
・生活困窮者自立支援制度、ひとり親を支援する各種事業、母子生活支援施設の利用、自治体が提供している医療費助成制度等の生活支援メニューを把握し、生みの親の状況を考慮した対応が行われているかを、支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
・ 養親候補者への説明においては、必要以上の期待を抱かせることがないよう、適切かつ十分に情報提供しているか、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
III-1-(1)-② 児童や生みの親、養親候補者に対して養子縁組のあっせん・相談支援に必要な情報を適切に提供している。 b
□ 生みの親の状況に応じた情報提供を行っている。(経済的な支援に関する情報、就労支援等の幅広い社会資源に関する情報等)
□ 生みの親の状況に応じて、相談窓口等の情報提供や関係機関への連絡等を行っている。
□ 必要に応じて、児童及び生みの親が関係機関につなぐための支援を行っている。
× □ 生みの親が生活支援を必要とする場合には、できる限り公的支援につなぐなど、当該支援の提供が養子縁組の意思決定に不当に影響しないよう配慮している。
× □ 民間あっせん機関が直接生活支援を行う場合でも、公的支援での提供が可能な支援については、その趣旨を丁寧に説明したうえで、公的支援の利用を優先している。
□ 養親候補者に対して必要以上の期待を抱かせることのないよう配慮している。
No.19 本評価基準では、養子縁組のあっせんについて生みの親の同意を得るにあたり、丁寧な説明と十分な理解のもとで同意を得られているか、意思決定に不当に影響するような行為が行われていないか、同意を得るタイミングに配慮をしているか、また子どもの意向確認等の権利擁護に配慮した対応が行われているかを評価します。 ・養子縁組のあっせんに関する生みの親の同意については、養子縁組の制度や必要となる手続き、養子縁組の成立によって生じる効果、あっせんの手続き、徴収する手数料及び同意撤回時の費用負担の取扱い等について、対面により、あらかじめ丁寧に説明し、十分な理解を得た上で、書面により確認する必要があります。
・ 15 歳以上の児童を養子とする養子縁組のあっせんを行う場合は、当該あっせんに係る児童の状況や抱える課題は、乳幼児に比して多様であることから、その意向や同意について、個別的に丁寧な説明と十分な理解のもとで確認しなくてはなりません。
・ 15 歳に達していない児童についても、年齢と発達に応じて、丁寧な説明と十分な理解のもとでその意向を確認することが必要です。また、自ら意思を表せない乳幼児等の場合には、権利擁護について特に配慮が求められます。
・ また、生みの親が熟慮した上で意思を決定できるよう、初回の相談・面談の際に養子縁組に関する詳細な情報を提供した場合であっても、その場で意思の決定を迫ることはしないなどの配慮をする必要があります。
・ 同意の確認を行ううえでは、特に、生みの親の熟慮や養子縁組の同意の撤回を妨げる行為は厳に慎まなければなりません。具体的には、養子縁組への同意の翻意により手数料を請求する可能性がある場合、そのことが生みの親の養子縁組への意思決定に対する不当な圧力にならないよう、経済的に困窮している生みの親に対しては児童相談所への相談を勧めるなどの配慮をする必要があります。また、生みの親等が同意の撤回を希望する場合に、手数料の支払いを児童の引渡しの条件にするなど、同意の撤回を事実上困難にするような取決めは行ってはなりません。
・ 生みの親が妊娠中に養子縁組を希望し、新生児のあっせんを予定している場合でも、生みの親の心身の状態が出産前後で大きく変化することを踏まえ、法第 27 条の規定により、少なくとも、養親候補者と児童が面会することについての同意及び養子縁組成立前養育を行うことについての同意は、児童の出生後に、あっせんの各段階で得る必要があります。
・ 特に、養子縁組成立前養育が開始され、児童と養親候補者との間に一定の愛着関係が形成された後に生みの親が同意を撤回した場合には、児童の心身への影響や養親候補者の喪失感が大きいことから、民間あっせん機関は、養子縁組成立前養育を行うことの同意を事前に得ている場合であっても、その開始に先立ち、改めて生みの親の同意を確認するよう努めることが必要です。
・生みの親に対する養子縁組あっせんに係る説明の方法及び内容並びに同意の確認に関する手順が適切に定められているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。
予め定められた手順に則って同意の確認が行われているか、相談支援の記録や同意を確認した文書によって確認します。
III-1-(1)-③ 生みの親からの同意が適切な方法でとられている。  b
□養子縁組のあっせんに関する生みの親の同意は、制度や手続き、手数料等について、面会により、あらかじめ丁寧に説明し、十分な理解を得たうえで、書面により確認している。※法定事項
□養子縁組のあっせんを行う場合は、年齢と発達に応じて、丁寧な説明と十分な理解のもとで子どもの意向を確認し、自ら意思を表せない乳幼児等の場合には、権利擁護について配慮している。
□生みの親が熟慮したうえで養子縁組に関する意思決定ができるよう、初回相談の場で決定を迫ることはしない等の配慮をしている。
□同意の確認において、生みの親の熟慮や養子縁組の同意の撤回を妨げる行為を行っていない。
□生みの親が妊娠中に養子縁組を希望している場合でも、養親候補者と児童が面会することについての同意及び養子縁組成立前養育を行うことの同意は、児童の出生後にあっせんの各段階で得ている。
□養子縁組成立前養育を行うことの同意を事前に得ている場合においても、その開始に先立ち、改めて同意を確認するよう努めている。
No.20 本評価基準では、養親希望者に対して必要な情報提供を行ったうえ、養親希望者の理解の状況に応じた適切な対応を行っているかを評価します。 ・養親希望者に対しては、養子縁組に関する詳細な説明と併せて、以下に例示する関連事項について十分な情報提供及び説明を行い、その内容を理解していることを確認する必要があります。また、理解が不十分な者には養子縁組のあっせんを行ってはなりません。
ⅰ)養子縁組成立までの生みの親の同意の撤回の可能性
ⅱ)児童の疾病や障害の可能性
ⅲ)生みの親との接触に関する取決め
ⅳ)手数料等の費用
ⅴ)養親希望者の適性の判断基準
ⅵ)児童の養育開始後の支援内容
ⅶ)研修の案内
ⅷ)児童の養育に当たり必要な準備
ⅸ)家庭裁判所への申立方法
ⅹ)児童の出自を知る権利
・)養子縁組成立後の支援内容
養親希望者に対して十分かつ適切に情報提供や説明をしているかを、相談支援の記録や、説明時に用いた資料(診断書の写し、生みの親と養親希望者との接触を取り決めた書面、手数料等の費用に関する書類、養親の適性の判断基準を示した書類、養親研修の内容を示した資料、その他の関係資料)等によって確認します。 III-1-(1)-④ 養子縁組のあっせん・相談支援の開始・過程において、児童や生みの親、養親希望者にわかりやすく説明している。 b
□養親希望者に対しては、養子縁組に関する詳細な説明と合わせて、関連事項について十分な情報提供及び説明を行い、理解を得ている。
□養親希望者に対して情報提供及び説明を行った結果、理解が不十分な場合には養子縁組のあっせんは行っていない。
No.21 本評価基準では、養子縁組のあっせんを行う前に、養親希望者及びその全ての同居家族との面会を行い、養親として適切な養育ができるかを判断するにあたり、必要な情報を丁寧に収集しているかを評価します。 ・民間あっせん機関は、養子縁組のあっせんを行う前に、養親希望者及びその全ての同居家族と面会を行う必要があります。少なくとも一度は養親希望者の家庭訪問を行い、養親希望者及びその全ての同居家族の意向、家庭状況等を把握し、養親として適切な養育ができるかを判断するための情報収集を行わなくてはなりません。 児童や養親希望者に関する情報が適切な方法で十分収集されているかを、相談支援の記録等によって確認します。
・ 同居家族との面会において、民間あっせん機関が収集する住民票等の書類と合致していることを確認しながら進めているかを、収集した資料や相談支援の記録等によって確認します。
III-1-(2)-① 養親希望者やその家族、家庭状況等について丁寧に情報収集を行っている。 b
× □養子縁組のあっせんを行う前に、養親希望者及びその全ての同居家族と面会を行っている。
× □少なくとも一度は養親希望者の家庭訪問を行い、養親希望者及びその全ての同居家族の意向、家庭状況等を把握し、養親として適切な養育ができるかを判断するための情報収集を丁寧に行っている。
No.22 本評価基準では、児童及び養親希望者のアセスメント及びマッチングが、業務方法書に基づく組織的な対応のもとで行われているかを評価します。 ・養親希望者の適性については、将来の見通しを具体的に話し合いながら、慎重に適否を検討することが重要です。養子縁組あっせん責任者を含めた複数の職員が、必要に応じて医療職、心理職等の助言を得ながら、業務方法書に明文化された項目に基づいて児童及び養親希望者の丁寧なアセスメントを行い、業務方法書に明文化された組織的な検討を行うなどの適切な手続きによりマッチングを実施する必要があります。そのため、医療職や心理職等の助言を得られる体制が確保されていなくてはいけません。
・ アセスメントを通じて、例えば医療職により児童に在宅療養の必要性が示唆された場合には、適切な支援につなげるために児童相談所との相談・連携が欠かせません。
・ また、子どもの状況に応じ、医療機関に診断書の提出を求めることも必要です。
・ 養親希望者から養親候補者を選定するにあたっては、生みの親の意見や希望のみによって行うことや、養親希望者に十分な情報や熟慮期間を与えずに行うこと、養親希望者に、児童の受入れについて一切の選択の余地を認めない形で行うことはすべきではなく、専門的な知識及び技術に基づき、児童の最善の利益を最大限考慮しながら行わなければなりません。
・アセスメントやマッチングが業務方法書等に規定されたとおり適切に実施されているかを、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
・ アセスメントやマッチングにおいて組織的な検討と決定がなされているかを、相談支援の記録、検討した会議録等によって確認します。
・ 検討した結果の記録を随時検証することが可能な形で整理・保存しているかを確認します。
III-1-(2)-② アセスメントやマッチングについて、組織的な検討と決定を行っている。 b
× □ 養子縁組あっせん責任者を含めた複数の職員が、業務方法書に基づくアセスメントや組織的な検討を行うなどの適切な手続きによりマッチングをしている。
× □アセスメント、マッチングにおいて、医療職、心理職等の助言を得られる体制が確保されており、必要な助言を得ている。
□ 養親候補者の選定は、専門的な知識及び技術に基づき、児童の最善の利益を最大限考慮しながら行っている。
No.23 本評価基準では、国内におけるあっせんを優先した検討が行われているかを評価します。 ・国際的な養子縁組のあっせんについては、児童相談所や他の民間あっせん機関と連携して国内在住の養親希望者を探すなど、まず、国内における養子縁組の可能性を十分に模索し、それでもなお日本国内での養子縁組が見込めない場合に限り、認められるものです。 ・国際的な養子縁組のあっせんを行うことが想定される民間養子縁組あっせん機関においては、検討や支援の手順・内容が適切に定められているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。  国際的な養子縁組のあっせんを行った事例がある場合には、国内における養子縁組のあっせんを十分模索したかを相談支援の記録、検討した会議録等によって確認します。
・ 事例がある場合には、その具体的な取組状況を聴き取りによって確認します。
III-1-(2)-③ 国内におけるあっせんが優先されている。 - 非該当項目
× □ 国際的な養子縁組のあっせんは、国内における養子縁組の可能性を十分に模索したうえで実施している。※法定事項
No.24 本評価基準では、国際的な養子縁組を行っている場合において、支援が適切に提供されるよう必要な手続きや対応が行われているかを評価します。 ・国際的な養子縁組を行う場合であっても、児童と養親希望者のマッチングにおいて適正な手続きがなされることや、養子縁組成立後に至るまで、相手先国において適切な支援が提供されることを確認した上で養子縁組のあっせんを行うことが必要です。
・ 相手先国でのあっせん機関等につなぐ場合には、その連携先に関する情報収集を行い、適切な支援が行われる環境であることを確認しておく必要があります。
・国際的な養子縁組の相手先国におけるあっせん機関に関する情報並びに当該あっせん機関が実施する支援計画に関する情報を十分収集し、また、相手先国における支援が適切に行われるよう必要な情報を提供しているかを、相談支援の記録等によって確認します。
・ 国際的な養子縁組のあっせんを行った事例において、予め業務方法書等に定められた手順・内容に則ってマッチングが進められているかを、業務方法書、相談支援の記録等によって確認します。
・ 具体的な取組状況を聴き取りによって確認します。
III-1-(2)-④ 国際養子縁組を行う場合、マッチングの手順が適切に実施され、養子縁組成立後の支援が担保されている。 - 非該当項目
× □ 国際的な養子縁組を行う場合、適正な手続きによりマッチングが行われている。
× □ 国際的な養子縁組を行う場合、養子縁組成立後に至るまで、相手先国において支援が適切に提供されることを確認している。
No.25 本評価基準では、あっせん前の児童の養育を適切な環境で行うために、必要な体制確保や関係機関との連携が図られているかを評価します。 ・養親候補者が児童の養育を開始するまでの間、民間あっせん機関が養子縁組のあっせんに係る児童を養育することが想定される場合には、児童が適切に養育されるよう、あらかじめ養育施設の設置や人員の確保、乳児院、児童養護施設その他の公的に認可等された施設又はこれと同等の水準を満たす施設(以下「乳児院等」という。)との協定の締結等を行った上で、一時的な養育の方法について、業務方法書に記載しなければなりません。
・ 民間あっせん機関が一時的に児童を養育する場合には、乳児院等に入所させることが望ましいですが、それができない場合であっても、できる限り乳児院等に近い環境において児童を養育できるよう、安全に配慮した職員配置、設備及び衛生管理等の整備を行い、養育環境の改善に努める必要があります。また、必要に応じて、児童相談所及び福祉事務所をはじめとする関係機関との連携が求められます。
・ 特に、新生児や、疾病や障害のある乳幼児等、生命の維持や安全に配慮を要する児童の場合、医療機関をはじめとする関係機関と連携して、医療行為を行う際に生みの親の同意を適切に確認できるような連絡体制を確保するなど、その保護と適切な養育環境の確保が必要です。
・あっせん前の児童の養育について、民間あっせん機関が養子縁組のあっせんに係る児童を養育することが想定される場合には、養育体制の整備及びその養育方法を適切に規定しているかを、業務方法書、連携する施設・事業者・医療機関等と締結した書面等によって確認します。
・ 一時的な養育環境が子どもの状況に応じた適切なものであるかを、聴き取りによって確認します。
III-1-(3)-① あっせん前の児童の一時的な養育は、適切な環境で行われている。  - 非該当項目
× □ あっせん前の児童の一時的な養育が想定される場合には、あらかじめ養育施設の設置や人員の確保、乳児院等との協定の締結等を行っている。
× □あっせん前の児童の一時的な養育の方法について、業務方法書に記載している。
× □あっせん前の児童の一時的な養育は、子どもの状況に応じた適切な養育環境で行われている。
× □生命の維持や安全に配慮を要する児童の一時的な養育は、医療機関をはじめとする関係機関との連携のもと、その保護と適切な養育環境の確保を行っている。
No.26 本評価基準では、生みの親以外の養育者と3か月以上同居させる場合に同居児童の届出を行っているか、また、養育に必要な情報提供や関係調整を行っているかを評価します。 ・民間あっせん機関(民間あっせん機関より委託を受けた者を含む。)は、児童を3ヶ月以上(乳児については1ヶ月以上)生みの親以外の養育者と同居させる場合には、児童福祉法第 30 条の規定により、同居児童の届出を行わなければなりません。
・ また、民間あっせん機関は、適性が確認された養親候補者による児童の養育を開始するに当たり、その時点での家庭状況を再度確認し、児童との交流や関係調整を十分に行う必要があります。あわせて、児童の養育環境や心身の健康に関する情報、養子縁組を必要とする理由、その他児童の養育に必要な情報について、生みの親から聴き取るなどして十分に把握し、養親候補者に対して、児童の養育を開始する前に提供します。そのため、児童の養育に必要な情報とは何かを明確にしたうえで、聴き取り等を行うことが重要です。
・ 養親候補者への情報提供のうち医療的側面の情報に関し、「民間あっせん機関が適切に養子縁組のあっせんに係る業務を行うための指針」では「児童の心身の健康に関する情報」を十分に提供することが重要だとされており、児童の父母等からの聴き取り等によって、医療的リスクや障害の有無等に関する情報を養親候補者に提供することが求められます。
児童の養育のために把握しておくべき情報が明確になっているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。
あっせん前の児童の養育が予め定められた手順・内容に則って行われているかを、業務方法書、相談支援の記録等によって確認します。
・ あっせん前の児童の養育における情報が適切に養親候補者へ説明されているかを、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
III-1-(3)-② あっせん前の児童の一時的な養育及び養親候補者による児童の養育の開始に関する手続きが適切に行われている。  - 非該当項目
× □ 児童を3か月以上(乳児は1か月以上)同居させる場合には、同居児童の届出を行っている。
× □児童の養育のために把握しておくべき必要な情報が明確になっている。
× □ 児童の養育に必要な情報について十分に把握し、養親候補者に対して、児童の養育を開始する前に提供している。
× □ 養親候補者による児童の養育の開始にあたっては、その時点での家庭状況を再度確認し、児童との交流や関係調整を十分に行っている。
No.27 本評価基準では、養親候補者による養育開始にあたり、必要な手続きやきめ細やかな相談支援が行われているか、そのために必要な関係機関との連携が図られているかを評価します。 ・養親候補者による養育が開始された後、養親候補者が安心して児童を養育することができるよう、きめ細かな相談支援を提供する必要があります。養親候補者と児童を定期的に訪問し、監護の状況を確認することが求められます。
・ また、相談支援にあたっては、必要に応じて養親候補者の居住地を管轄する児童相談所をはじめとする関係機関と連携を図らなくてはなりません。
・ 民間あっせん機関は、養親候補者が児童の養育を開始した場合には、法第 32 条第3項の規定により、養育を開始した日から1ヶ月以内に、当該児童及び養親候補者の居住地を管轄する都道府県等に対し、養親候補者による養育が開始したことを届け出るなど、必要な支援が遅滞なく提供されるよう連携体制を整える必要があります。
・ また、養親候補者が、児童を3ヶ月以上(乳児については1ヶ月以上)同居させる場合には、児童福祉法第 30 条の規定により、市町村を経て、都道府県等に対し、同居児童の届出を行わなければなりません。このため、民間あっせん機関は、養子縁組成立前養育の開始に際し、届出を受けた都道府県等により支援が提供される場合があることの説明を行うなど、養親候補者が届出を遅滞なく行うよう勧奨するとともに、届出を受けた都道府県等による調査等に協力するよう説明を行う必要があります。あわせて、届出の有無の確認も必要です。
養親候補者による児童の養育から養子縁組成立までの支援について、相談支援の実施方法、必要な届け出の手順、連携が必要な関係機関と連携の内容、それらの業務を担当する職員等を具体的、適切に規定しているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。
・ 養親候補者による児童の養育から養子縁組成立までの支援が、予め定められた手順・内容に則って行われているかを、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
III-1-(4)-① 養親候補者による児童の養育開始から、養子縁組成立までの支援が適切に行われている。 b
□養親候補者による養育開始後、安心して児童を養育することができるよう、きめ細やかな相談支援を行っている。
× □養親候補者と児童を定期的に訪問し、監護の状況を確認している。
× □必要に応じて、養親候補者の居住地を管轄する児童相談所などの関係機関との連携を図っている。
× □養親候補者による養育開始後1か月以内に法第32条第3項の届出を行うなど、必要な支援が遅滞なく提供されるよう連携体制を整えている。
□養親候補者が児童を3か月以上(乳児は1か月以上)同居させる場合、同居児童の届出が行われるよう、養親候補者に対して必要な説明を行うとともに、届出の有無を確認している。
No.28 本評価基準では、養子縁組成立前養育を行っている児童について、家庭裁判所への申立て等の手続きが適切に行われるよう、情報提供や申立の勧奨等が行われているかを評価します。 ・養子縁組成立前養育における監護の状況等を踏まえ、児童の最善の利益を図る観点から、法律上の親子関係を成立させることが望ましいと考えられる場合、速やかに養子縁組に係る家庭裁判所への申立て等の手続きをとるよう、養親候補者に指導及び助言を行うことが求められます。 養子縁組の申立手続及び付随する手続に関する情報が、適切に養親候補者へ提供されているかなど、支援の実施状況を、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。 III-1-(4)-② 養子縁組の申立手続き等に関する情報提供が適切に行われている。 b
□ 養子縁組成立前養育の監護状況から、法律上の親子関係を成立させることが望ましいと考えられる場合、速やかに家庭裁判所への申立等の手続きをとるよう、養親候補者に指導及び助言を行っている。
No.29 本評価基準では、養子縁組成立前養育を中止する必要がある場合において、児童の保護ならびに必要な連絡や手続きが適切に行われているかを評価します。 ・支援を行っても、養親候補者と児童の関係が良好でない等のために養子縁組成立前養育が中止された場合には、民間あっせん機関は、児童の保護を適切に行うとともに、必要に応じて児童相談所をはじめとする関係機関に連絡をするなどの適切な対応をとらなくてはなりません。
・ 養親候補者に対し、養子縁組成立前養育の中止を求めたときは、責任をもって児童の引き渡しを受け、当該児童の監護の権利を有する者に引き渡すこと、児童相談所に要保護児童通告を行うこと、その他児童の保護のための適切な措置を講ずる必要があります。
養子縁組成立前養育を中止する必要がある場合とその際の対応について、記録すべき内容、組織的な決定、関係機関との連携、児童の保護等の内容を具体的かつ適切に規定しているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。
・ 養子縁組成立前養育を中止した場合に、予め定められた対応に則って行われているかを、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
III-1-(5)-① 養子縁組成立前養育が中止された場合、児童の保護が適切に行われている。 b
× □養子縁組成立前養育が中止された場合の対応について、業務方法書等に定めている。
□養子縁組成立前養育が中止された場合には、児童の保護を適切に行い、必要に応じて関係機関に連絡するなどの適切な対応を行っている。
□養子縁組成立前養育の中止を求めたときは、監護の権利を有する者への児童の引渡し、児童相談所に対する要保護児童通告など、適切な措置を講じている。※法定事項
No.30 本評価基準では、養子縁組成立前養育が中止された場合に、児童と養親候補者に対して必要なケアを行っているか、また、次の養子縁組のあっせんをする場合に、児童の最善の利益の観点から養親候補者の選定が行われているかを評価します。 ・養子縁組成立前養育が中止された場合には、児童と養親候補者の双方に対して丁寧なケアを行う必要があります。
・ その際、養子縁組成立前養育が中止された養親候補者を次の養子縁組のあっせんで優先的に取り扱うなどの配慮をすることは児童の最善の利益の観点から適切ではありません。養子縁組のあっせんは、あっせんを行う児童に適した養親候補者を選定しなければなりません。
・ 児童のためにも、養子縁組成立前養育の中止が繰り返されることは避けなくてはいけません。児童を次の養親希望者にあっせんするにあたっては、養子縁組成立前養育中止の理由や中止後の児童の状況を勘案しながら、養親候補者の選定をより丁寧に行うなどの配慮が必要です。
養子縁組成立前養育を中止する必要がある場合の児童と養親候補者への支援について、適切な対応が取れるよう規定しているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。
・ 養子縁組成立前養育を中止した場合の支援が、予め定められた内容に則って行われているかを、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
III-1-(5)-② 養子縁組成立前養育が中止された場合、児童と養親候補者への支援が適切に行われている。 c 例がない
× □ 養子縁組成立前養育が中止された場合には、児童と養親候補者の双方に対して、丁寧なケアを行っている。
× □ 養子縁組成立前養育が中止された養親候補者を次の養子縁組のあっせんで優先するなどは行っていない。
× □養子縁組成立前養育が中止された理由や、中止後の児童の様子等について丁寧に確認を行っている。
× □児童を次の養親希望者にあっせんするにあたっては、養親希望者の選定をより丁寧に行うなど、養子縁組前養育の中止が繰り返されないよう配慮している。
No.31 本評価基準では、養子縁組前後の児童に対して、民間あっせん機関自身、あるいは関係機関とも連携した支援体制を構築し実施できているかを評価します。 ・養子縁組のあっせんに係る児童は要支援状態にあるという前提のもと、児童に対するアセスメントを行い、支援の必要性を判断のうえ、必要と考えられる場合には、民間あっせん機関では児童に対し、自ら継続的な心理的なケアを含む支援を行うとともに、関係機関とも連携した支援体制の構築を図ることが重要です。
・ また、養子縁組のあっせん及び相談支援の各プロセスにおいて、必要に応じ、連携先の関係機関に所属する専門職の助言を得ることも有用です。
養子縁組成立後の児童への支援について、その内容が適切に規定されているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。
・ 養子縁組成立後の児童への支援が、予め定められた内容に沿って行われているかを、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
III-1-(6)-① 養子縁組成立後の児童への支援が適切に行われている。 c
× □児童に対するアセスメントを行い、支援の必要性及び必要な支援について検討している。
× □ 児童に対し、継続的な心身の支援を行っている。
× □児童に対し、関係機関による支援が提供されるよう、支援体制を構築している。
× □児童の養育・支援にあたり、養子縁組のあっせん・相談支援の各プロセスにおいて、必要に応じ、連携先の関係機関に所属する専門職の助言を得ている。
No.32 本評価基準では、養子縁組成立後にも養親家庭への支援が行われているか、支援が行える体制を整えているかを評価します。 ・養子縁組の成立後においても、養親は様々な問題を抱えます。しかし、養親としての適格性を疑われることを懸念して、子育ての悩みを訴えず、閉鎖的な養育を行うおそれがあるほか、身近に同じ境遇で子育てをしている者が少なく、真実告知といった、養親特有の悩みを抱え込みやすくなる可能性があります。そのため、民間あっせん機関は、養親が必要なときに安心して相談できる支援体制を構築することが必要であり、自ら支援を行うと同時に、気持ちを丁寧に聞きながら養親や養子となった児童のニーズを把握し、適切な支援機関との協働を行わなくてはいけません。
・ 自ら行う支援としては、養親及び養子となった児童への定期的・継続的な訪問を行うなど、関係性の維持を図りつつ、真実告知のタイミング等の児童の発達段階に応じた悩みに対し助言すること等が挙げられます。こうした支援は、養子縁組成立の日から6ヶ月が経過して、法第 30 条及び第 32 条の規定による都道府県等への報告を終えた後も、継続的に行うことが求められます。
・ 遠隔地の養親及び養子となった児童への支援では、定期的・継続的な訪問等の直接の支援が困難である場合も考えられるため、養子縁組の成立前から、養親の居住地を管轄する児童相談所及び市区町村をはじめとする関係機関と養親との関係作りを行うなど、継続的な支援が行えるような体制を整えておくことが重要です。
・ 養子となった児童から、自らの出自に関する情報を知りたいとの相談があった場合には、丁寧に相談に応じた上で、当該児童の年齢その他の状況を踏まえ、適切な助言を行いつつ、対応することが必要です。・ また、養親及び養子となった児童に対する支援は、就職、結婚、出産、介護等、人生の様々な段階で生じる課題に対応するために必要なものであり、長期的視野に立って取り組むことが求められます。
・養子縁組成立後の養親家庭への支援について、その内容が適切に規定されているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。
・ 養子縁組成立後の養親家庭への支援が、予め定められた内容に沿って行われているかを、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
III-1-(6)-② 養子縁組成立後の養親家庭への支援が適切に行われている。  c
□養親が必要な時に相談できる支援体制を構築している。
× □養親や養子となった児童に対して自ら支援すると同時に、そのニーズを把握し、気持ちを丁寧に聞きながら、適切な支援機関との協働を行っている。
× □養親や養子となった児童への定期的・継続的な訪問などにより関係性の維持を図りつつ、子どもの発達段階に応じた悩みに対する助言などを行っている。
× □遠隔地の養親及び養子となった児童には、養子縁組成立前から、養親居住地を管轄する児童相談所等の関係機関と養親との関係づくりを行うなど、継続的な支援が行える体制を整えている。
□養子となった児童から自らの出自に関する情報を知りたいとの相談があった場合は、丁寧に相談に応じたうえで、当該児童の年齢等を踏まえ、適切な助言・対応を行っている。
No.33 本評価基準では、養子縁組成立後においても、生みの親に対して、民間あっせん機関自身、あるいは関係機関とも連携した支援体制を構築し、実施できているかを評価します。 ・養子縁組の成立後、生みの親に対する支援の必要性を判断し、必要な場合には支援を行う、または関係機関につなぐ、などの支援体制を構築する必要があります。
・ 生みの親に対する心理的サポートが必要な場合には、自ら継続的な心理的なケアを含む支援を行うとともに、関係機関とも連携した支援体制の構築を図ることが重要です。
・ また、生みの親が生活を立て直すために必要な経済的支援、就労支援及び生活支援等に関する情報提供を行うとともに、必要に応じ、福祉事務所をはじめとする関係機関につなげることが求められます。
・ 養子縁組のあっせん及び相談支援の各プロセスにおいて、必要に応じ、連携先の関係機関に所属する専門職の助言を得ることも有用です。
養子縁組成立後の生みの親に対するアセスメントに基づく支援について、その内容が適切に規定されているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。
・ 養子縁組成立後の生みの親への支援が、予め定められた内容に則って行われているかを、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
III-1-(6)-③ 養子縁組成立後の生みの親への支援が適切に行われている。 c 養子縁組に対する偏見ではないか。
なぜ生んだ親に支援するのか。
× □生みの親に対するアセスメントを行い、支援の必要性及び必要な支援について検討している。
× □生みの親に対し、自ら継続的な心身の支援を行っている。
× □生みの親が生活を立て直すための支援等に関する情報提供や、関係機関へのつなぎを行っている。
× □生みの親に対し、関係機関による支援が提供されるよう、支援体制を構築している。
× □生みの親への支援にあたり、養子縁組のあっせん・相談支援の各プロセスにおいて、必要に応じ、連携先の関係機関に所属する専門職の助言を得ている。
No.34 本評価基準では、業務方法書として養子縁組のあっせん・相談支援についての標準的な実施方法が文書化され、その内容を生みの親や養親希望者に説明した上で、記載の内容に則った養子縁組のあっせん及び相談支援が実施されているかを評価します。 ・業務方法書は、民間あっせん機関における養子縁組のあっせん及び相談支援の標準的な実施方法を文書化したものです。生みの親や養親希望者にその内容が十分に説明され、これに則った養子縁組のあっせん及び相談支援が実施されなければなりません。
・ 業務方法書には、養子縁組のあっせん及び相談支援の手順と方法をわかりやすく記載します。特に、以下の事項については、それぞれに必要な様式を定めるなど、具体的な業務内容と留意事項を標準化し、対応する職員や個々の事例によって提供される支援の質が異なることのないようにします。
ⅰ)生みの親への相談支援
ⅱ)同意の確認
ⅲ)養親希望者への適性評価のための調査
ⅳ)児童と養親希望者の選定
ⅴ)子どもの一時的養育や出自に関する記録の保存に係る方法
養子縁組のあっせん及び相談支援について、その実施方法が適切に規定されているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。
養子縁組のあっせん及び相談支援の実施方法が職員に周知されているかを、研修の記録、職員会議録等によって確認します。
・ 養子縁組のあっせん及び相談支援の実施方法が養親希望者や生みの親へ適切に説明されているかを、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
・ 業務方法書の内容が入手しやすく公表されているかを確認します。
III-2-(1)-① 養子縁組のあっせん・相談支援について標準的な実施方法が文書化され、それに則った養子縁組あっせん・相談支援が実施されている。 b
□養子縁組のあっせん・相談支援の標準的な実施方法が、業務方法書として文書化されている。
□業務方法書には、養子縁組あっせん・相談支援の手順と方法がわかりやすく記載されている。
□職員や個別事例により支援の質が異ならないよう、特に重要な事項については、必要な様式を定めるなど、具体的な業務内容と留意事項が標準化されている。
□標準的な実施方法について、研修や個別の指導等によって職員に周知徹底するための方策を講じている。
□業務方法書に則った養子縁組のあっせん・相談支援が実施されている。
□業務方法書における養子縁組あっせん・相談支援の手順と方法などの必要な事項について、生みの親や養親希望者に十分に説明されている。
No.35 本評価基準では、業務方法書に示す標準的な実施方法の見直しをする仕組みが定められているかを評価します。 ・民間あっせん機関は、自己評価や外部の評価機関による評価の結果を踏まえて、自らの事業運営における問題点を把握し、サービスの質の向上に努めることが義務づけられています。
・ 民間あっせん機関が作成・公表する業務方法書は、養子縁組のあっせん及び相談支援の標準的な実施方法を記載した重要な文書です。そのため、業務方法書の内容は、定期的に検証し、必要に応じて見直しを行うことが求められます。
・ 業務方法書に変更があった場合は、速やかに都道府県知事等に当該変更点について報告しなければなりません。
事業運営の質の向上を図る取組が適切に規定されているかを、定款、業務方法書等によって確認します。
・ 事業運営における問題点が組織的に検討、総括され、規定に則って見直されているかを、職員会議録、事業報告、事業計画等によって確認します。
・ 業務方法書の変更箇所が都道府県知事等に速やかに報告されているかを、報告書等によって確認します。
III-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。  b
□業務方法書の内容は、定期的に検証されている。
□業務方法書の内容に見直しが必要となった場合の方法が定められている。
No.36 本評価基準では、養親希望者の適性を様々な観点から評価・判断するにあたって、養子縁組のあっせん希望理由や申し込み経緯の聴き取り状況、また、予め定められた確認すべき内容の様式等に基づき、養親希望者の評価を組織的に検討・決定する方法と手順に則って、適性評価と選定が適切に行われているかを評価します。 ・民間あっせん機関は、養親希望者の適性について、年齢や職業の有無等の外形的な条件だけで判断するのではなく、児童を養育する上での強みや課題を総合的に勘案して、様々な観点から評価・判断すべきです。
・ 特に、養子縁組のあっせんを希望する理由や、養子縁組のあっせんを申し込むに至った経緯(養親希望者の生育歴や、養子縁組への思い、不妊治療等の経緯の中で抱えてきた葛藤や喪失感等)については、養親希望者の適性や児童を養育する上での強み、課題を評価するために重要な情報であり、丁寧な聴き取りを行うことが求められます。
・ 養親希望者に関する様々な情報を適正に評価するためには確認すべき内容及び複数回の面接、家庭訪問の実施、他の同居家族や親族の意向の確認等、評価の組織的な検討及び決定の方法が具体的に定められ、その方法に則り適切な手順で実施することが必要です。
・ なお、養親希望者の選定に当たっては、外部の有識者を含む審査会を設定し、客観性を確保するなどの工夫を講じることも考えられます。
養親希望者の適性を評価する基準や方法が適切に規定されているかを、業務方法書、申請書、調査時に使用する様式等によって確認します。
・ 養親候補者の選定が予め規定された基準、方法に則って行われているかを、検討した会議録、相談支援の記録等によって確認します。
III-2-(2)-① 養親希望者の適性評価と選定が適切に行われている。 b
□養親希望者の適性について、児童を養育する上での強みや課題を総合的に勘案して、様々な観点から評価・判断されている。
□養子縁組のあっせんを希望する理由や、養子縁組あっせんを申し込むに至った経緯については、特に丁寧な聴き取りを行っている。
□養親希望者の適性評価を行うために確認すべき内容及び適性評価を組織的に検討・決定する方法が具体的に定められている。
□養親希望者の適性評価が、定められた様式等に則り、適切な手順により実施されている。
No.37 本評価基準では、養親希望者に対する研修を通じて、児童の特性・発達や真実告知の重要性について理解を促すとともに、児童への関わり方を実践的に習得できるカリキュラムを作成しているか、また、研修を委託
実施している場合は委託先からの報告を通じて養親希望者の状況を把握しているかを評価します。
・養親希望者が受講する研修においては、民間あっせん機関は、養親希望者に対し、児童の特性や発達に関する理解を深めさせ、真実告知の重要性について理解を促します。また、児童への関わり方については、養育実習やロールプレイを取り入れるなど実践的に習得させるとともに、研修への取組状況やその内容についての理解等を通じて、養親希望者の強み及び課題を把握することが求められます。
・ このため、当該研修の実施に当たっては、そうした観点も踏まえたカリキュラムを作成するよう留意するとともに、社会福祉法人等への委託により研修を実施した場合においても、養親希望者及び研修担当者から逐次報告を受け、養親希望者の状況の把握に努めることが重要です。
養親希望者に対する研修内容、実施方法が適切に規定されているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。
・ 養親希望者に対する研修が予め定められた内容に則って行われているかを、研修を実施した記録、養親のアセスメントの記録、相談支援の記録等によって確認します。
III-2-(2)-② 養親希望者への情報提供、研修等が適切に行われている。  b
□養親希望者の受講する研修において、養親希望者に対し、児童の特性や発達に関する理解を深めさせている。
□養親希望者の受講する研修において、養親希望者に対し、真実告知の重要性について理解を促している。
× □ 養親希望者の受講する研修において、児童への関わり方を実践的に習得できるカリキュラムを作成している。
□ 養親希望者の研修への取組状況や内容についての理解等を通じ、養親希望者の強み・課題を把握している。(委託先研修担当者からの報告等)
No.38 本評価基準では、養子縁組のあっせん・相談支援に必要となる児童、生みの親及び養親希望者等に関する情報を適切に帳簿に記録し、職員間で適切に共有するとともに、自らの出自を知りたい児童へ適切に対応
することができるよう保管できているかを評価します。
・民間あっせん機関は、規則第7条第1項に規定する記載事項(児童に関する情報、児童の父母等に関する情報、養子縁組の経緯及び養子縁組が成立した後の状況、養親希望者に関する情報)を適切に記載した帳簿を備え付けるとともに、養子縁組のあっせん及び相談支援に必要な情報を職員間で共有する必要があります。
・ 職員間の共有にあたっては、どこまでの情報を、誰までが共有すべきかを判断したうえで、共有すべき情報をいつでも確認できる環境となっていること、また共有するための仕組みがあることが重要です。これを含め、児童、生みの親及び養親希望者等に関する情報収集、保管及び使用に関するルールを業務方法書等において明文化し、情報管理を適正に行わなくてはなりません。
・ 特に、児童に関する情報、生みの親に関する情報及び養子縁組の経緯については、児童が自らの出自を知るために重要な資料であり、必要な情報を十分に収集し、記録及び保管することが求められます。
児童に関する情報、児童の父母等に関する情報、養子縁組の経緯及び養子縁組が成立した後の状況、養親希望者に関する情報が適切に整備されているかを、それらの帳簿によって確認します。
帳簿に記載する内容の取扱が具体的に定められているかを、業務方法書その他の文書によって確認します。
・ 個々の資料が支援の実施に役立てられるよう、適切に整理されているかを確認します。
III-2-(3)-① 帳簿への記録が適切に行われ、記録された内容が職員間で共有化されている。 b
□規則第7条第1項に規定する記載事項を記載した帳簿を備えつけている。※法定事項
□帳簿は養子縁組あっせんのケースごとにファイリングされている。
□帳簿の記載内容や表現は適切である。
□養子縁組のあっせん・相談支援に必要な情報が、職員間で共有されている。
□ 児童、生みの親、養親希望者等に関する情報収集、保管、使用に関するルールを業務方法書に定めている。
□ 児童が自らの出自を知ることができるよう、児童に関する情報、生みの親に関する情報及び養子縁組の経緯についての情報が帳簿に記録・保管されている。
No.39 本評価基準では、帳簿の永続的な保管体制が確立しているか、また、記録の保管や引継ぎの可能性について養親希望者及び生みの親に理解を求めているかを評価します。 ・帳簿については、永続的な保管体制を確立し、不慮の災害等による滅失防止のため、十分な対策をとる必要があります。
・ 事業の許可が取り消され又は事業を廃止した等の場合には、都道府県等又は他の民間あっせん機関に帳簿を引き継がなければなりません。そのため、養親希望者及び生みの親に対しては、記録の保管や引継ぎの可能性について、事前に説明し理解を求めておくことが重要です。
・ 帳簿の滅失防止の具体的方策としては、少なくとも 2 つ以上の媒体で保管しておき、かつ信頼できる先と契約を締結する等して複数の場所で保管しておくことが望ましいと考えられます。全ての記録の滅失防止等が難しくとも、養子縁組あっせんを行った児童の一覧や児童の出自に関する記録など、重要情報については滅失防止の対策を講じることが求められます。
・ なお、帳簿の記載事項(児童に関する情報、児童の父母等に関する情報、養子縁組の経緯及び養子縁組が成立した後の状況、養親希望者に関する情報)は自治体に毎年度実施する事業報告の中で報告することで、自治体においても情報が保管されることになります。
帳簿が適切に保管されているかを確認します。
・ 帳簿に記載する内容の取扱について生みの親及び養親希望者に説明しているかを、相談支援の記録等に基づき、聴き取りによって確認します。
III-2-(3)-② 帳簿の永続的な保管体制が確立されている。  b
□不慮の災害等による帳簿の滅失防止のために、十分な対策がとられている。
□記録の保管及び事業許可取消し時又は事業廃止時の引継ぎの可能性について、養親希望者及び生みの親に対して事前に説明し、理解を求めている。
No.40 本評価基準では、将来、養子となった児童から求めがあった場合に帳簿の一定の情報が提供される可能性があることを、生みの親に対しあらかじめ説明し、その意向を十分確認するとともに、同意を得られているか、また、関係者のプライバシー保護が徹底されているかを評価します。 ・帳簿の情報は、児童に関する情報であるとともに、生みの親に関する情報でもあることが多くなります。そのため、将来、養子となった児童から自らの出自に関する情報を知りたいとの相談があった場合、その求めに応じ、帳簿の一定の情報が提供される可能性があることを、生みの親に対し、あっせんの段階で説明し、その意向を十分確認するとともに、提供に関する理解を求め、あらかじめ同意を得ておくことが重要です。
・ 養子縁組のあっせん及び相談支援の記録はセンシティブ情報であり、プライバシー保護のため、関係者の情報管理の徹底を図ることが必要になります。
・個人情報の保護について、保管に関する責任者の定め、閲覧を必要な範囲に限定、保管状況の定期的な確認等適切に整備されているかを、それらを定めた文書によって確認します。
・ 個人情報が規定に則って取り扱われているかを確認します。
III-2-(3)-③ 帳簿に記載された情報の取扱いが適切に行われている。 b
□児童の求めに応じ、帳簿の一定の情報を民間あっせん機関等から児童に対して提供する可能性があることを、生みの親に対してあっせんの段階で説明し、その意向を十分確認するとともに、あらかじめ同意を得ている。
□養子縁組のあっせん・相談支援の記録について、プライバシー保護の観点から、関係者の情報管理を徹底している。
□ 個人情報の取扱いについて定めた文書がある。
□ 職員が個人情報保護規程等を理解し、遵守している。
No.41 本評価基準では、苦情解決に関する体制の整備や周知、苦情相談内容にもとづく質の向上の取組が実施されているかを評価します。 ・民間あっせん機関では、苦情解決に関する体制の整備及び周知が求められます。具体的には、苦情解決責任者や苦情受付担当者、第三者委員の設置などの組織の規模に応じた体制の確保や、文書や掲示によりその仕組みを分かりやすく周知する等の取組が考えられます。 苦情解決の仕組みが適切に整備されているかを、規定やマニュアル等によって確認します。
苦情解決の仕組みが児童、生みの親、養親希望者に周知されているかを、掲示、パンフレット等によって確認します。
児童や生みの親、養親希望者から得られた意見を事業運営に反映させているかを、職員会議録、意見を集約した文書等によって確認します。
III-2-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知している。 c 弁護士に相談
× □苦情解決に関する体制及び流れについて定めた文書がある。
× □苦情解決体制について、文書や掲示により、その仕組みを分かりやすく周知している。
No.42 本評価基準では、児童、生みの親、養親、養親希望者のそれぞれが意見を述べたり相談したりしやすい体制整備が図られ、そのことが周知されているかを評価します。 ・児童、生みの親、養親及び養親希望者が民間あっせん機関に対して意見等を述べやすく、相談しやすい体制が確保されていることが重要です。
・ 相談方法や相談相手を選択できる体制を整備するとともに、その体制を児童、生みの親、養親及び養親希望者に周知する必要があります。
・ また、アンケートやイベントなどにより、意見等を述べやすい機会を設けるような取組も期待されます。
児童や生みの親、養親希望者が運営や支援について意見を述べ、かつ意見を反映できる仕組みがあるかを確認します。
児童や生みの親、養親希望者に対し、意見を述べられる仕組みについて説明しているかを確認します。
III-2-(4)-② 児童や生みの親、養親希望者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、周知している。 b
□児童、生みの親、養親及び養親希望者が意見を述べやすく、相談しやすい体制が確保されている。
□相談体制について、児童、生みの親、養親及び養親希望者に周知している。
□アンケートの実施やイベント開催による交流等、意見を積極的に把握する機会をつくっている。
No.43 本評価基準では、児童や生みの親、養親、養親希望者からの相談、意見、苦情等に対する体制や対応が適切に実施されているか、不適切に実施されていないかを評価します。 ・民間あっせん機関においては、相談、意見、苦情等に対する対応マニュアルを整備し、組織的かつ迅速に対応することや、必要に応じて組織の運営改善に反映させること、要望に応えられない場合にも、その理由を丁寧に説明することが求められます。
・ 民間あっせん機関は、養親希望者を選定する立場であることに鑑み、意見や苦情を述べたことをもって養子縁組のあっせんを行わないなど、養親希望者が意見等を述べにくくするような言動は厳に慎まなければなりません。
苦情解決の取組が予め定められた手続に則って行われているかを、苦情解決の記録によって確認します。
・ 苦情への対応結果を苦情申し出人に報告しているかを、苦情解決の記録によって確認します。
III-2-(4)-③ 児童や生みの親、養親及び養親希望者からの相談や意見、苦情等に対して、適切な対応をしている。 b
□ 相談や意見、苦情等を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討等について定めた対応マニュアルを整備している。
□相談や意見、苦情等について、組織的かつ迅速に対応している。
□相談や意見、苦情等にもとづき、養子縁組のあっせん・相談支援の質の向上に関わる取組が行われている。
□児童や生みの親、養親、養親希望者からの要望に応えられない場合には、その理由を丁寧に説明している。
□ 養親希望者が意見や苦情を述べたことにより養子縁組のあっせんを行わないなど、養親希望者が意見等を述べにくくするような言動を行っていない。
No.44 本評価基準では、安心・安全な養子縁組のあっせん及び相談支援が実施できるよう、リスクマネジメント体制の構築や緊急時における関係機関との連絡・協力体制の構築ができているかを評価します ・安心・安全な養子縁組のあっせん及び相談支援を実施するために、児童、生みの親、養親希望者、養子縁組成立後の養親及び養子となった児童への支援の過程で起こり得る緊急事態を想定し、事故対応マニュアル等を作成し、職員に周知するなどにより、リスクマネジメント体制を構築していることが求められます。
緊急事態とは、養親による不適切養育が起きた場合などが想定されますが、自機関で発生した緊急事態又はその可能性があった事例に応じたマニュアル等の作成が必要です。
・ また、緊急時における関係機関との連絡・協力体制をあらかじめ構築し、安心・安全な事業運営のため万全を期しておく必要があります。例えば、児童相談所と日頃から情報共有を図っておくことにより、安全性確保のため、子どもの保護やあっせん業務の引継ぎ等が必要となった場合に、円滑に実施できると期待されます。緊急事態が発生した場合には、自らの機関のみで抱え込まず、公的機関に迅速につなぐことが重要です。
緊急時の対応マニュアルを整備しているかを確認します。
緊急時の対応マニュアルを職員間で十分共有しているかを会議録等によって確認します。
緊急時に連絡・協力を求める関係機関のリストを作成し、予め当該関係機関と対応内容を共有しているかを、やりとりの記録等によって確認します。
III-2-(5)-① 安心・安全な養子縁組のあっせん・相談支援の実施を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 c
× □養子縁組のあっせん・相談支援の過程で起こり得る緊急事態を想定し、事故対応マニュアルを作成して職員に周知するなど、リスクマネジメント体制を構築している。
× □緊急時における関係機関との連絡・協力体制をあらかじめ構築している。